結婚が決まり、いよいよ引越しだという時に、母からおもむろに渡されたもの。
それは料理本と家計簿でした。
「そうか、これから家計簿なんてものも付けなきゃいけないんだな」と、心新たにしたのも束の間、それからこの家計簿に泣かされた時期が続きました。
思い返せば、母が家計簿を付けている姿なんて一度も見たことない。
新妻=家計簿という安易な発想で贈りやがって!なんてことは思ってはいけません。
ここでは、家計簿の必要性・不必要性について考えてみましょう。
なぜ「家計簿を付けること」が推奨されるのか
結婚をしてから読み始めた奥様雑誌には、お決まりのように「家計簿を付けましょう」と書いていました。
デキる主婦はみんな家計簿を付けていると。
わたしは鵜呑みにしました。
その付け方がまずかったので、ゆくゆくは挫折するのですが。
今考えると、家計簿を付けることには一定のメリットがあると思います。最大のメリットは「支出を目視できる」ことです。
痛いんです、目視って。
週末に家族で外出をするでしょ?
ご飯を食べたり、電車に乗ったり、お土産を買ったり、お茶したり。せっかくの休日なんだからと思って、満足した気持ちで帰宅。
次の日にレシートと記憶を辿って家計簿を付けるのですが、まぁ使っていることが数字でまざまざと見せつけられてしまうんです!
これが家計簿の最大の効果なんですね。
数字を目の当たりにして、節約をしようと思わなくてもいいです。
週末のお出かけにはこれぐらいかかるんだ、とか、一度の外食でこれだけかけてるんだ、とか、交通費に結構かかってるな、とか。
無意識に使っているお金を、意識することができるようになることが、家計簿の効果なのです。
「そんなに無駄遣いしてるつもりはない」という落とし穴
「お金がない」と口癖のように言う人がいます。そして「そんなにお金も遣ってないんだけど」とも言います。
そんな人に「じゃあ、毎月の支出はいくらぐらい?」と聞くと、「計算してないから分からない」となることが大半です。
これが貯まらない落とし穴。
収入が多くても少なくても、きちんと貯められる人は、毎月の支出をきちんと把握している人です(把握しなくてもいいぐらい収入が莫大にある人は、この場では論外です)。
よし貯めよう!と闇雲に節約をしても、支出を把握していないと、お金は貯まりません。ストレスだけが貯まります。
家計簿はデータ:データは厳選が必要!
支出を把握する簡単な方法が家計簿です。
家計簿と言っても、記録していくものはその日1日で遣ったお金だけです。
固定費と呼ばれる、毎月決まった金額のものをわざわざ記録する必要はありません。家賃とか、保険料などがそれにあたります。
家計簿に付ける項目は最大で8項目までが管理しやすいです。
販売されている家計簿も、項目数が少ないのから多いのまで様々ですが、最大でも8項目だったかと思います。
わたしは、食費・日用品・交通費・医療費・服飾費・交際費・趣味費・その他、という項目で付けていました。
レシートや領収書を極力もらうようにし、その日のうちか遅くても次の日には記入していました。
家計簿はデータ:データは蓄積してこそ真価を発揮する!
とても面倒で、数字を見ると頭が痛くなりますが、これも修行のひとつだと思いながら、約1年半家計簿を付け続けました。
最初の1年は、上で書いたように8項目に分け、真面目に修行をこなしていきました。
1年間を通していくと、日々の生活にかかる支出がだいたい分かってきました。
外出が多い月、医療費が高くついた月(インフルエンザにかかったり)、交際費が異様に高くついた日(夏になるとやたら遊びたくなります)など。
その月によってばらつきはありますが、1回の外出にかかる平均、医療費の見込み、交際費の精査など、大体の支出を「予測」できるようになりました。
また、1年を通すと、家族のイベントにかかる支出が把握できます。
例えば、母の日や父の日、家族の誕生日や記念日、それにいくらぐらいかかったかを記録することで、来年の予算を立てることができました。
家計がパニックに陥る最大の原因は「予想外の出費」。
裏を返せば、支出を予想できていれば対策が取れるので、慌てることがなくなります。
1年間家計簿をこつこつ付けることで、我が家のデータが出来上がります。
家計簿はデータ:「振り返りツール」と割り切って依存しない!
家計管理初心者が陥りやすい落とし穴は、「家計簿を付けるとお金が貯まる」と思い込むことです。
家計簿はあくまで「過去」のデータです。貯金は「未来」です。
過去から学ぶことは、傾向なだけであって、その傾向への「対策」を立てることで、未来を作ることができます。
ただ漫然と家計簿を付けるだけではなく、そのデータを元に改善点を見つけなくてはいけません。
改善点を翌月に活かしていけば、家計が健全に機能することになります。
家計簿を1年半つけた結果
支出を書かされ、認識させられ、振り返させられる家計簿。何が楽しくて毎日毎日書いているんだろうと思いながら、でもきっと何かが見えてくるはずだと続けた1年半。
途中から、家計簿を付けないとそわそわするようになりました。
財布にレシートが残ることに落ち着かなくなり、朝起きてすぐに家計簿を広げたこともあります。
どんどん、家計簿を付けない日=お金を使わなかった日となり、それが快感になりました。
家計簿の良いところは、使ったお金が見えることですが、「使わなかったお金」を見ることもできるのだと発見しました。
そして、週の予算、月の予算、年の予算と何も見ずとも把握できるようになったので、晴れて家計簿を卒業しました。
家計簿に助けられた1年半でしたが、付けなくても大丈夫と思った瞬間の解放感ったらなかったです。
解放感と共に、「もう大丈夫」という確信を得ました。
それは、データを取り続け、振り返り、対策を練ってきたという心強い裏付けができたからです。それはやっぱり、家計簿を付けたからこその成果です。
実感をしたので声を大にしておすすめします。貯めたかったら、家計簿を付けましょう!