一人では考えることがなかった生命保険。
家族が増えると、自分にもしものことがあったときに家族に負担をかけたくない、と考えるようになりました。
夫の立場だとそれはもっと明確で、自分が病気やケガをすると、収入がその分減るだけではなく、治療費等で出費もかさむ・・・不安で仕方ないと思います。
その「もしも」に備えるものが、生命保険。
いざ、生命保険を検討しようとした時に、まず保険会社が多すぎて混乱します。
そして会社を絞ったとしても、今度は商品が多すぎて何が必要なのかが判断できなくなります。
今はインターネットで保険料のシュミレーションができるものも多いので、試しに計算をしてみましょう、って・・・保険料が高すぎる!!!
わたしは30代半ば、夫はもう30代の終わりが見えてきている年齢。当然のことです。
そこで目をつけたのが、「共済」。
その内容を見ていると、企業保険とさほど保障内容に違いがないようなのですが、掛け金が全然違ったのです!とても安い!
思わず飛びつきそうになったのですが、「安物買いの銭失い」という言葉もあります。ここは徹底的に調べてみましょう。
【民間保険と共済の違いとは?】
共済と民間企業保険との大きな違いは、営利目的か否かというところでしょう。
民間企業は、営利目的なので、集めた保険料でいかに利益を出すかをもちろん考えます。
保険料が高かったり、条件が細かく厳しかったりも、企業が損をしないようにと色々設定されているからです。
月々の保険料が、加入時年齢によって細かく設定されているのも、リスクを最小限に抑え、広く加入者を集めるためです。
その代わりに、保険商品の種類がとても多く、自分の状況によってより細かく、カスタマイズできるのが最大のウリでしょう。
その点、共済は営利目的団体ではないので、掛け金を最小限に引き下げることができます。
大々的にCMを打ったり、営業マンが勧誘してきたりすることがありません。
手厚くお世話をしてもらえるワケではないのですが、来る者は拒まずの姿勢です。
また、月々の掛金を決定する加入時年齢も、こども用・若者用(20歳~65歳)・老齢用(65歳~)のように、区分が幅広く設定されており、掛け金の変動がほとんどないのが大きな特徴です。
【共済には割戻し金がある】
組合員から持ち寄った掛け金は毎年4月1日から翌年3月31日の年1回の区切りを設けています。
3月31日の時点で余ったお金は、組合員に均等割ををされ、返還してもらえます。
これを割戻し金といいます。
各都道府県共済によって、割戻し金額に差がありますが、だいたい平均して20~30%の割戻し金の還付実績があるようです。実際の数字に置き換えてみましょう。
掛け金2000円のコースだと、2000円✕12ヶ月=24,000円が1年で支払う掛け金です。
3月30日を迎え、25%の割戻金が決定すると、24,000円の25%で6,000円が戻ってきます。
そうすると、実際の掛け金は24,000円ー6,000円=18,000円ということになり、月々の掛金は1,500円になったという計算です。
【共済一択!で問題ないのでは?】
保障内容は、細かく見ると多少の差はありますが、必要最低限の保障でいいのであれば共済で全て補えるような気がします。
それなのに、なぜ多くの人が民間保険に高い保険料を支払って加入しているのでしょうか。
共済と民間保険とを比べたときに、人によっては共済のデメリットが大きいから、ということになります。
【共済のデメリットとは?】
先に「区分が幅広く設定されており、掛け金の変動がほとんどない」と書きましたが、ここに第一のデメリットポイントがあります。
大体の共済の区分としては、18歳~65歳がひとつのまとまりとされます。
18歳の青年も、65歳の准高齢者も、掛け金が一緒ということです。
ここで民間保険と比べてみてください。
20歳の若者が、総合保障や医療保障や死亡保障等、あれもこれも充実させた保険内容を組んでも保険料が驚くほど安いのです。
その点、共済だとシンプル過ぎる内容に見え、内容に不足があるような気がしてきます。
また、もうひとつのデメリットとしては、掛け金に変動がなくても、年齢によって保障内容が違ってくるということが挙げられます。
だいたい、60歳を過ぎると保障内容が低くなる共済組合が多いようです。
年を取ったときに保障内容が薄くなると、不安も生まれるでしょう。
その時に保険などを見直すこととなれば、掛け金も高くなるかもしれませんし、申込時の審査も厳しくなってくることも予想できます。
デメリットは?
最大のデメリットとしては、セーフティネットがないということです。
保険会社は「生命保険契約者保護機構」というものに加入しています。
銀行の預金は、銀行が破綻した場合でも上限1000万円として補償されます。
生命保険の場合もそれに似ており、貯蓄型の保険の場合(例えば、学資保険など何年後にいくらか保険金が降りるような商品)は、契約者の保護として、責任準備金の90%は補償されるようになっています。
簡単に言えば、保険会社が倒産すると、受け取れるはずだった保険金は、満額ではないもののいくらかは補償されるというものです。
その点、共済は「生命保険契約者保護機構」に加入していないので、組織が潰れた場合には1円も戻ってこない可能性があるということになります。
都道府県が組織している共済が潰れる、ということはなかなか無いことだと思いますが、「絶対」ということはないので、こういったデメリットもあるということは最初に理解しておかないといけません。
知らなかったでは済まないことが、世の中には多々ある、とわたしは最近痛感することばかりです。
【共済に加入しても損しない人とは?】
保険会社にも共済にも、それぞれのメリット・デメリットがあることがお分かりいただけたと思います。
それでは、共済に加入するといいかな?よくないかな?と思われる人物像を挙げてみたいと思います。
<共済に向かない人>
- 10~20代で、保険会社の保険料が安く抑えられる人
- 保険を貯蓄型優先で考えたい人
- 老後の貯金が見込めない人
<共済に向く人>
- 自営業の人
- 収入が低い又は安定していない人
- 掛け捨て保険でいいと思っている人
- 30代以降で保険会社の保険料が高い人
- 現在貯蓄が十分にある又は老後の貯蓄を確保できる予定の人
このように、おおまかに分けられるでしょうか。もちろん一概ではなく、その人それぞれのご事情などに合わせて決めていくことが最上です。
その中で、保険料が高いから・・・と保険自体を諦めている方には、「共済」というのは安心を与えてくれるヒントになるかもしれませんね。