バブルが弾け飛んだのも、今は昔。最近は「断捨離」から始まり、「ミニマリスト」「持たない暮らし」「シンプルライフ」が、流行りのライフスタイルです。
実は、このミニマリスト的生活は様々な効能をもたらしてくれるのです。
生活を見直し、要・不要を見極め、本当に自分が満足いく生活を送れるようになる、果ては「貯まる」生活になるといいます。貯まるのはお金。
そう、シンプルな生活は、実はいいことずくめなのです。
立派な修行、本当の「断捨離」とは
よく耳にするようになった、断捨離という言葉。モノを捨てればいいんでしょ?という簡単なことではないようです。
断捨離は「断行」「捨行」「離行」という立派な修行の掛け合わせなのです。
「断行」・・・外からもたらされる不要なものを「断つ」修行
「捨行」・・・内にある不要なものを「捨てる」修行
「離行」・・・ものへの執着心から「離れる」修行
これらを合わせて断捨離と言われます。
最終目標は、ものへの執着心をなくすこと。
ものへの執着というものは、実は主観的な目線ではなく、他人からの目線や価値観でもたらされることが多いのです。
断捨離行をすることで、余計な他人からの評価や、他人に見られたい自分を剥ぎ取ることができ、「自分に本当に必要なものは何か?」ということが、クリアになります。
腰を据えて一度断捨離を実行すると、ものへの執着心から解き放たれ、身軽で快適な生活や人生を手に入れることができるといいます。
断捨離は、単なる片付けとは少し趣が違うことが分かるかと思います。
実は家には「不要なもの」だらけ!
例えば洗面台を見てみましょう。洗面台にある、引き出しや棚の中をすべて外に出して並べてみましょう。
お土産でもらったボディケア用品、粗品でもらった石鹸、似たようなヘアワックス数個、宿泊したホテルから持ち帰ったアメニティ・・・いつか使うかもと、置いていた結果です。
過去1年間で使わなかったものは、これからも使いません!
断言します。
いつのかも分からない衛生用品を、自分の体や頭に使いたくありませんよね。
そう、実は家にはありとあらゆる不要なものが溢れているのです。そんなゴミ同然なものと囲まれている生活なんて、想像しただけでもゾッとしませんか?
断捨離の第一歩「一日一捨」
いっぺんに家のものをすべて整理してしまおうとすると、挫折をしてしまうもの。
挫折すると、次に腰を上げるのは一苦労。何度もこの悪循環を経験してきた人も多いでしょう。
今、SNS等で流行っている「一日一捨」というのをご存知でしょうか。
その名の通り、一日ひとつ(以上)不用品を捨てる習慣のことをいいます。
毎日出る生ゴミや、ペットボトル等の生活ゴミとは別に、自分の今の暮らしに不要なものを、一日最低1個捨てるだけです。
一日一捨、毎日続けて365個の不用品が家から無くなります。考えただけでスッキリしてきませんか?
捨てるものがないと思っても、無理矢理にでも捨てるものを探します。捨てるものがない、なんていうことは、通常のご家庭であればあり得ないことなのです。
ものを「捨てる」基準は?
「いつか使う」は、使わない
いつか使うからと置いておいた紙袋。そういえば使ったことがないような・・・。
そうなんです、「いつか使う」と思って保管しているものは大抵使わないのです。
判断基準とするならば、1年間使わなかったものはこれからも使わない、「いつか」なんて来ないと割り切って、手放してしまいましょう。
流行ったもの、今は必要ですか?
わたしは昔、ハイパーヨーヨーが一時期(小中学生の間で)流行った際に、なぜかその流行に乗り、ハイパーヨーヨーばかり買い集めていた経験があります。
そして数年後、どっさりあるハイパーヨーヨーを目の前にし、絶望的な思いになったことがあります。
ハイパーヨーヨー全盛期には、わたしはもう20代半ばでしたし、一応仕事もし分別もあったと思うのですが、なぜかそのガラクタを集めていたのです。
わたしの例は幼稚すぎますが、流行とはそういうもので、れっきとした大人の判断能力でさえ麻痺させてしまう力があるのです。
ご家庭に、座るだけで痩せる大きなゴムボールはありませんか?
ヨーグルトメーカーはありませんか?
グッピーを(かつて)育てていた水槽やポンプなど、置きっぱなしになっていませんか?
断捨離行を究めていくと、きっとその流行にすら飛びつかず、「本当にこれは必要なのか?」と、自問自答ができるようなりますが、それまでにまずは流行りでつい買ってしまったものを手放すことから始めてみましょう。
おしゃれだと思っているのも、じっくり考えればゴミ
外国製の飲み物。飲んだ後に「このボトル、おしゃれだ」と思い、インテリアとして飾ります。
いただきものの缶詰、何かを入れるのにちょうどいいし見た目も高級感ある、と思って置いておく。こんな経験ありませんか?
よぉく考えてください。それは、ゴミです。
そんなものが多くご家庭にあるとすれば、ゴミに囲まれて暮らしていると言っても過言ではないのでしょうか。
ゴミは捨てた上で、使えるものは資源化してもらうのが一番良いとは思いませんか?
おしゃれなゴミを飾っても、それは所詮ゴミ。
ちょっと言い方はキツいですが、そういう思考に持っていきましょう。
そうすると「このボトル、めっちゃおしゃれ~」と言って、少し割高な外国産ジュースで散財することもなくなりそうですね。
思い出はそっと胸に、過去に囚われない
子どもが初めて履いた靴、あの人とデートに行った映画のパンフレット、今は亡きおばあちゃんがくれた布・・・片付けだすと、思い出に思考を引っ張られます。
思い出の品をどんどん手放すことは結構な労力が必要だと思います。そんなに簡単には捨てられない。分かります。
でも・・・片付けに取り掛かるまでに、その存在を忘れていませんでしたか?
これまでの時間でさして必要ではなかったものを掘り起こして、それに囚われるということは、とても無益なことに思えませんか?
思い出は丁寧にまとめて、形見代わりのものは大事に近くに置いておくはずです。
そして、時々紐解いては、思い出に浸る時間を作る。
そういったことをしておらず、今の今まで忘れていたものは、きっとさほど自分の中で価値がないのでしょう。
まとめ
断捨離行はそんなに簡単なことではないと思います。
ものを捨てるという単純行為なのに、一個一個に後ろ髪を引かれるでしょう。
その中で、「あの時の自分にはこれが必要だったんだけど、今はもう手放してもいいだろう」と考えることができるようになるでしょうし、何かを手に入れようとしたときには、「本当にこれは必要なのか。今後の自分にも必要なのか」と取捨選択できるようになっていくでしょう。
断捨離を行うことで、自分がいかに不要なものに囲まれていたかを実感することができます。そうすると、ものを購入して増やすとき、よくよく考えることができるようになり、余計な散財をすることが減ります。
ものを適切に捨てるということは、心を整える行為です。
心を整えれば、家計も整うと言われています。
何か新しいことを始めたい方。断捨離、一日一捨から始めてみませんか?